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空き家からはじまる新しいまちづくり

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2019年2月9日

千住でうごく#03 アイディアを蒔く

場所:東京未来大学

昨年度と同様に3回目のイベントは「アイディアを蒔く」と題して、
実際の空き家を対象として利活用アイディアの実現を前提に提案を募り、
イベントにて公開プレゼンを行い、イベント後の実現に向けて活動をしていきます!

講師には、大阪の蒲生4丁目にて十数件の空き家をリノベーションし、事業化に成功し、エリアリノベーションを実現している和田欣也氏をお呼びしました。
実践的な活動のレクチャーとともに、利活用アイディアへの講評をして頂きました!

和田欣也氏 講演会
(同志社香里高校、同志社大学文学部卒。株式会社建築資料研究社に入社。宅建、建築士講習など、建築関係の資格取得コースを販売する営業職を担当し、CADオペレーションや建築関係の知識と人脈を築く。耐震診断士資格も取得。2005年長屋再生事業を立ち上げ、長屋を中心とした古民家を再生し、店舗などにリノベーションする事業を展開。2008年より大阪市城東区蒲生四丁目を中心としたエリアで「がもよんにぎわいプロジェクト」を行う。120年前に建てられた米蔵をイタリアンに改装した「リストランテ・ジャルディーノ」を皮切りに、洋食店、居酒屋、カフェなど現在までに30店舗を手掛け、そのまちおこしの試みは、多数のメディアに取り上げられる。またまちおこしの一環としてバルイベント「がもよんばる」や「がもよん文化部」等の地域交流を精力的に実施。現在は他エリアの地域再生にも取り組んでいる。「アールプレイオフィス 代表」「一般社団法人 がもよんにぎわいプロジェクト代表理事」

大阪市城東区蒲生4-21-12大希ビル3F TEL:06-6180-8686

主な受賞作品:あいち耐震設計コンペ最優秀賞 兵庫県耐震設計コンペ兵庫県議長賞)

 

2019年2月9日
「千住でうごく#03」を東京未来大学さんの講義棟にて開催しました。今回は、大阪で10年前から空き家を活用した街おこしを実践してきた和田欣也さんをゲストに、トークショーや空き家利活用アイディア公開プレゼンテーションを行いました。

和田さんは、大阪市城東区にある蒲生四丁目というエリアを中心に、古民家をリノベーションして10年間で30を超える店舗のプロデュースを手がけてきた街おこしの達人。なんとオープンさせた飲食店25店舗のうち「潰れた店はゼロ」という驚異的な実績を持っています。そんな和田さんの原点となったのは、120年前の米蔵をイタリアンレストランへ改装したことだったそうです。

「最初はめっちゃ反対されたんですよ。当時は、歩いててもジャージを着たお兄ちゃんとかお婆ちゃんしかいない町だったから、予約制のイタリアンなんか誰が行くねん、って(笑)」

ところが、オープンするや否や、すぐに予約を取るのが難しいほどの人気店に。その後、次々とリノベーション店舗を手がけた和田さんですが、一つずつの店舗設計を綿密に行うのと同時に、エリアとしていかに活性化させるかということにも気を使ってきたと言います。

「同じ業態の店舗はエリア内で一つだけ、というルールを設けています。よく、道を挟んで同じコンビニが隣接している風景を見ますけど、同業者で潰しあってもいいことないじゃないですか。」

実際に、飲食店オーナー同士の連帯も強く、”カレー祭り”や”大茶会”、”熊本震災復興イベント”など、イベントを合同で開催したり、他店舗を紹介し合って、常連客のシャッフルも頻繁に行われているのだとか。

今や大成功を収めている蒲生四丁目エリアですが、気になるのはいかに住民を巻き込んできたのかということ。実際、当初は「よそ者」という目で見られることも多かったそうですが….

「地元の人が自分たちで変えられるならとっくに街は変わってくるんですよね。外から人が来ることで町の人が変わっていきます。あるピザ屋をつくった時、向かいの住人さんにやめてくれって最初は言われたんですけど、その店舗が人気出てくると『あそこのピザ屋の向かいに私住んでるねん』と嬉しげに話してくれるようになりました。居心地がいい店をつくれば人が集まってきます。文句を言う人も絶対出てきますけど、成功を積み重ねて巻き込んでいけばいいと思います。幸せは伝染するので。」

数多くの苦難を乗り越えながら確かな成果を積み重ねてきた和田さんの言葉に勇気付けられました。

当日は、3組の方々がアイディアを発表しました。

一組目は、学校教員や教育関係者など計8人の混成チームによる「先生シェアハウス」。先生たちは、子供が好きなので学びたいことが多いものの、日々の仕事がかなりハードでその時間がないという課題があるそうで、「先生同士が学び支え合える居場所をつくりたい」という想いから今回プレゼンに参加してくださったそう。1階をいろんな人が集える「憩いの場」、2階を「学び合いの場」にし、土日はイベントを開催して地域にも開かれた場にしていきたいとのこと。先生のみならず、子供や保護者の方も出入りできる場所にして、蔵が本来持っていた地域の人とのネットワークも継承していきたいと語ってくれました。

二組目は、足立区で5年間、空家を中心に遊休不動産の活性化に取り組んできた建築事務所によるコワーキングスペース「1010共同創造宇宙」です。足立区は企業数の減少が著しく、行政が創業支援に取り組んでいるものの、支援制度を卒業した後に50%の人が区外で出ていってしまう問題があると言います。原因としては、「手頃な広さの事務所がない」、「賃料が安くない」といった声が上がっているようで、その解決策になると目論んでいるようです。また、カフェ&バーも併設し、工場で働く人、職人さんなど地域の人が気軽に立ち寄れて、多様な人が生まれることでコラボレーションが生まれる場所にしたいと語ってくださいました。

三組目は、仲間と一緒にDIYをテーマにしたYOUTUBEチャンネルを運営している、千住在住の専業主婦による「住居近接型カフェ」です。家族で蔵に居住しながら、1階を貸しスペースにすることで「新しい刺激が待つ、人々が集まる場所」にしていくというプラン。DIY、料理、ワークショップなど得意なことを持ち寄った人が、家を通じて夢を実践する場所にしていきたいとのこと。また、蔵のリノベーションの様子をYOUTUBEなどSNSを通じて発信していくことで、場所の魅力を広く伝えていく予定。電子工作、アクセサリー制作、パソコン教室などのワークショップも開催し地域活性化に繋がるイベントも行っていくそうです。 三組の発表を聞き終えた和田さんからは、「綿密なプランや収支計画は伝わってきたのですが、ちょっと遠慮しすぎかなと思いました。もっと純粋にやりたいことをぶつけてもらっても良かったなと。」というコメントが。 「空家のオーナーさんは収益を生むかどうかよりも、世の中にどういい影響を与える物件に生まれ変わるのか、という点を大事にすると思うんです。要は、プレイヤーが夢やロマンを持って楽しむことが大事。10年後のことなんかわからないですから。」 どうしてもビジネス性を考慮すると忘れがちな、でも町おこしにおいてプレイヤーが絶対に大事にすべき心構えを改めて実感することができました。

最後に、これからの展望を伺うと、シンプルながら希望あふれる言葉で締めくくってくださいました。 「これからどんどん賃料が安くなるので、引越しのハードルが下がって自由に町を選べる時代がくると思うんです。その時に ”がもよん住んでみたいなあ”と思われたら勝ちですよね。いまはチャンスなので、感情的にワクワクするものにどんどんチャレンジしていきたいです。」

 

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