SENJU PUBLIC NETWORK EAST

空き家からはじまる新しいまちづくり

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2018年11月17日

千住でうごく -番外編-

場所:関屋アトリエ

去る 11 月 17 日(土)、「関屋アトリエ」にて、DIY 体験と公開トークショーを開催しました。
快晴ということもあり、総勢で 30 名超の方にお越しいただき、未使用でがらんとしていた空き家が人の集う賑やかな場所に生まれ変わる様子を体感することができました。わたしたちが手がける空き家としては、第七棟目となる「関屋アトリエ」。住人となる 関川航平さんは、新進気鋭の若手アーティストです。

関川さんは、長らくバックッパックで友達の家や全国を渡り歩き、各地で作品を発表するという生活をしていたそうですが、一度場所を決めて「作品をつくり発表もできるような家に住んでみるのも面白いかな」と思い、千住 Public Network EAST に相談したことが入居の発端。

今年の 10 月に入居がスタートしたばかりで、毎度のことながら、この 1 ヶ月は前の住人の荷物をひたすら片付けていました。なんとその量、2 トントラックで 13 台分。家具や衣服はもちろんのこと、煙草が積まれた灰皿や飲みかけの缶ビールまで置いて残っていたそう… この「片付け」にかかる手間が、民間の会社が空き家事業に参入しずらい一つの要因でもあったりします。

そして、なんとか荷物を片付けて迎えたイベント当日。2 階の床張り、外壁の目隠しルーバー、外壁ペンキ塗りと 3 つの班に別れ、DIY 体験を行いました。助っ人として、足立区で活動する大工の田代さんと佐野さんが駆けつけてくださり、鋸で綺麗に木材をカットする方法や、電気ドリルを使ったネジどめなど DIY には欠かせない作業工程を一から丁寧にレクチャーしてもらいました。お二人が難なくこなす作業も、実際やってみると意外とうまくいかないもの..

優しい笑顔で手取り足取り教えてもらい、参加者の皆さんは苦戦しながらも楽しそうに DIY に打ち込んでいました。

また、初歩的なものだけでなく、床張りにおいては、水平・垂直を正確にとりながら堅牢な下地を張るポイントや、ルーバーでは木材を均等に並べて見た目を綺麗に整える方法もしっかりと学ぶことができ、「普段から個人的に DIY をしていたのですが、気になっていたポイントを、プロの大工さんから教えてもらえてとても役立ちました。」と満足気な声を聞くことができました。

DIY の後は、同じく「以外アトリエ」内にて千住 Public Network EAST のメンバーによる公開トークショーを行いました。昨年に活動を開始して以来、7 件の空き家を生まれ変わらせてきましたが、改めてこの地域をどうしていきたいのかをみんなで議論しようというもの。

まずはお披露目を行ったばかりの関川さんが、「これまで『関屋アトリエ』と名乗っていましたが、『以外アトリエ』名前を改めて活動していこうと思います。」と意外な発表を。芸術家は「アーティストってこうあるべき」と自己像を規定しがちだそうで、自分もそうなりそうだったことがずっとフラストレーションだったと言います。この場所で、人の目を気にせず自分勝手に「以外」なことをどんどんしかけていきたいと意気込みを述べて会場を沸かせました。

関川さん以外にも、「手毬工房カフェ」「千住芸術村」「ベジモア」「家劇場」「島プロジェクト」などいつもお馴染みのメンバーに加え、DIY レクチャーをしてくれた佐野さんの「ガレージ」や、個人的に千住東で空き家を買い上げてリノベーションを行ってきた鄭さんによる活動紹介があり、多種多様なプレイヤーが千住に集い、街に新しい風が吹きかけている様子を感じることができました。

また、個人活動紹介の後には、「空き家を変えることでこの街はどうなっていくのか?」についても議論が。10 年前に移住してきたメンバーの鶴巻は「路地が入り組んだ千住は、車が入ってこないから安心して家の外に子供を出せますし、向かいのおじいちゃんが子供の面倒を見てくれたりと、昔ながらの地域らしさがあって良いなと思うのですが、逆に向かいが空き家が並んでいると不安になるかもしれないです。」と住人ならではの実感値を共有。

建築家の青木も「火災の際に消防車が入りにくいなど、路地が問題とされることもあるのですが、初期消火を近隣住民が行えたりと、やり方によって対応の仕方は色々あります。その問題を優先して区画整備を行ってしまうと、コミュニティが失われてしまうんですよね。」と応えます。
空き家よりも、人が住んでいる状態の方が住民が安心して生活できるという共通認識を持つことが重要で、私たちの活動は、都市化が進んだ東京の中では希少な千住のまちを守ることにも繋がっていくのだ、と改めて意義を見直すことにもなりました。

近隣の方が DIY 中に覗きにきてくださったり、先月に引き続いて参加してくださった方もいたりと、少しずつこの活動が地域に根を張っているという実感値を得た本イベント。一軒の空き家だった「以外アトリエ」に、人の手が加わって少しずつ生まれ変わっていく当日の様子も写真でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

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